呉のやぶ

呉の秋祭りのシンボル的存在、「やぶ」の今と昔をお伝えします。

神山神社の祭り

どんな世界にも引退は付きもの。

長年、神山の祭りでやぶを務めた山本靖彬さんにも、今秋、そのときが訪れました。

山本さんが初めて面を被ったのは、中学一年生のとき*1

幼い頃から稚児になるなど、祭りとの関わりは長く、やぶになった初年度も「やっとなれるときが来た」という思いだったと言います。

神山神社の祭りは、神山、三ツ石、南ハイツの3地区合同で行われています。

このうち、山本さんが所属しているのは、南ハイツの「成年会」。

やぶは、現在、3地区合わせて12匹出ており、内8匹が南ハイツのやぶとなっています*2

そんな中、山本さんは、23歳のときから7年間、南ハイツの一番やぶを担ってきました。

引退の一番の動機は、かつての自分がそうであったように後継の若手に二十代前半のうちに一番やぶを経験させてあげたかったこと。

また、今年30歳の節目の年を迎えたことも、自らに決断を促す要因になったようです。

さぞかし感慨深かったであろう最後の俵もみが終わると、山本さんは面を外し、大勢の見物客に一言挨拶。

さきほどまでの緊迫感と打って変わって、境内は労いの拍手と歓声に包まれました。

そんな2016年10月第二日曜日の夕刻を、写真をもとに振り返りつつ、来年以降の新たな一番に向けて心からのエールを送りたいと思います。

 

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一番

 

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右が一番、左が三番

 

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右が二番、左隣が神山地区の一番

 

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三番

 

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八番

 

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神山の夕刻

 

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*1:但し、中学生が俵もみに参加するのは安全上、認められていなかったため、この頃は午前中の町回りのみ。午後からは大人が代わって面を被り、俵もみなどを行っていた。

*2:神山からは二匹、三ツ石からは二匹。