秋分の日に始まった「呉の秋」も11月2日、3日の両日で最後のクライマックスを迎えます。
この日は、いわゆる「小祭り」。
呼び名の由来は分かりませんが、呉の人は古くから親しみを込めてそう呼んでいます。
正確には、小祭りとは、亀山神社の宮司が宮司役を兼務している9つの神社の祭りだけを指します*1。
そのため、その中に含まれない伏原神社と出穂金神社の祭りは、小祭りには該当しないのですが、同じ日に行われているため、日常使いの言葉としては厳密性を求めず、それらも含んで小祭りと呼んでいる人も少なくありません。
私もその一人です。
さて、この小祭りですが、毎年、頭を悩ますのがスケジュール。
何せ呉市内で同時多発的に祭りが行われます。
欲張って「あそこも行こう、ここも行こう」とすると、どうしても分刻みでの移動になります。
今年は悩み抜いた末に次のような予定を立てました。
11月2日(よごろ)
12:30-13:00 伏原神社
14:30-15:00 川原石商店街
18:00-19:00 中通商店街
19:15-20:15 八咫烏神社
11月3日(例大祭)
07:00-07:30 高日神社
08:00-08:15 おんべ酒店
09:00-09:30 出穂金神社
09:40-10:10 かもめ児童公園
10:20-11:10 宮原
11:20-12:00 本通7丁目
12:45-13:10 千福
13:30-14:00 三津田橋
14:15-14:30 山崎屋→平原神社
14:50-15:30 三条商店街→鯛乃宮神社
15:45-17:45 龍王神社
18:00-18:15 伏原神社
今回は、まず前編として11月2日のよごろの日を写真と共に振り返ってみたいと思います。
(11月3日の例大祭については次回、中編と後編の部で紹介します)
最初に足を運んだのは伏原神社。
ここ数年、12時30分頃にやぶが神社に集まっていたので、今年もここをスタート地点にしました。
階段を登ると、鮮やかな紅葉が目に飛び込んできます。
しばし、やぶの到着を待ち、秋色に染まった境内の写真を撮っていると、神社周辺で太鼓と笛の音が聞こえてきました。
例年だとやぶは近隣の幼稚園のあたりから神社に向かってくるのですが、今回は明らかに異なる方角。
もしかしてもう神社を発った後なのかも。
案の定、音の一団は神社を経由せず、別の方面へ移動。
慌てて階段を駆け下り、後ろを追いかけました。
そして着いた先が明立小学校。
10年前に吾妻小学校と上山田小学校が統合してできた学校です。
(もちろん事前に学校と打ち合わせた上での立ち寄りだったのでしょうが、)子どもたちは突然、やぶが訪れ、騒然。
逃げ惑う子も多数。
しばらく悲鳴と歓喜が入り混じった時間帯が続きましたが、ほどなく子どもたちも落ち着き、やぶに握手を求めたり、抱きかかえられて喜ぶ姿があちこちで見受けられるようになりました。
近所の方と思われる親子も正門付近でその様子を見守っていましたが、やはり小さな子は最後まで怖かったようです。
かれこれ20分ほど敷地内に留まった後に、一団は一番やぶを先頭に学校を後にしました。
手を振りながら見送る子どもたちの歓声を聞いていると、やはりやぶはスターだと再認識。
その後、一旦、会社に戻り、改めて14時30分から30分ほど外出。
向かった先は川原石商店街。
一昨年からこの日のこの時間帯に恵美須神社のやぶが町まわりをしていることを知り、以来、貴重な撮影スポットになっています。
(一昨年は何の情報もない中、ひたすら聞き耳を立てて、川原石一帯を探し回っていました)
幸い今年もすぐに見つけることができ、町まわりの邪魔にならないよう一定の距離を保ちながら、写真を撮り続けました。
川原石商店街は昭和の香りが残る味のある風景で、恵美須神社の祭りらしい雰囲気を感じ取ることができます。
まだまだやぶに付いて回りたいところでしたが、今年のよごろは昨年、一昨年と異なり平日。
ここは潔く切り上げ、会社に戻りました。
夜になると、呉のまちはまさによごろ一色に染まります。
とりわけ、中通商店街は複数の地区のやぶが集まり、賑やかさを増します。
今年は早めの夕食を済ませ、18時頃から1時間程度、中通一帯を歩き回りました。
途中、龍王神社や伏原神社、高日神社のやぶに遭遇し、よごろ気分もすっかり高揚。
その勢いで19時15分頃に宮原地区の八咫烏神社へ移動しました。
実はよごろの夜に八咫烏神社へ行くのは今回が初めて。
まずは提灯に照らされた、果てしなく続く階段を登ります。
そしてようやく着いた先は松明が焚かれる中、やぶが集う一種独特の異世界。
これが噂に聞く八咫烏のよごろかと感激を覚えながら、小一時間、その雰囲気に浸っていました。
境内では振る舞い酒も配られており、祭りの賑わいに一役買っていました。
そうこうしているうちに、小やぶが階段を降り始め、私もそれに追随。
登っているときには気づかなかった呉の夜景を眺めながら、早くも翌日の「クライマックス」に思いを馳せ、意気高揚と家路につきました。
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*1:具体的には下記参照。