「呉のやぶ」の見所の一つに"俵もみ"があります。
一言で言うと、「やぶ」と「とんぼ」の激突なのですが、一度も観たことのない人に対して、これを言葉だけで説明し尽くすのは中々難儀です。
とりわけ、市外や県外、海外の方には、そもそも「やぶ」という言葉自体がほとんど知られていないので、まずはそこから話す必要があります。
「やぶ」というのは、見た目は鬼ですが、神様の警護と道案内の役目を担うとされています。
現在、呉市内では9月の秋分の日から11月の文化の日にかけて、20余りの神社で「やぶ」が登場する秋祭りが行われています。
一方、「とんぼ」とは神様に奉納するお米を載せた俵みこしのことを言います。
この俵みこしが境内に上がろうとすると「やぶ」が手持ちの竹を使って激しく押し返すのです。
押し返された俵みこしは、独特の唄を掛け声に再び勢いをつけて突入を試みます。
この衝突は俵みこしが「やぶ」の壁を突破できるまで何度も繰り返され、中には1時間以上にも亘って行われるところもあります。
一見すると「やぶ」が神様への奉納を邪魔しているかのように見えますが、そうではありません。
神様に奉納するお米におかしなものが混ざっていないか検分している、あるいはもみ殻のついたお米を十分にもんで、殻を落とした上で社殿に通そうとしているといった説もあります。
いずれにせよ、激しいことこの上ない神事です。
このようにイラストを交えて説明すれば、"俵もみ"について「なるほど、そういうものなのか‥」と理解してもらえるのではないかと思います。
そこで3年前に作成したのがこのチラシです。
イラストは、九州を拠点にご活躍中のイラストレーター、小宮貴一郎さんに実際の"俵もみ"を見学いただいた上で、描いていただきました。
「なるほど、これは便利だ!」と思われる方はどうぞご自由にお使いください。
最後に、実際の"俵もみ"の様子を写した写真をほんの数点だけご紹介しておきましょう。
(掲載は祭りの開催日順)
宇佐神社
亀山神社
龍王神社
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