呉のやぶ

呉の秋祭りのシンボル的存在、「やぶ」の魅力をお伝えします。

はじめに

呉の焼山で生まれ育った私は、子どもの頃、大の「祭り好き」、「やぶ好き」でした。

地元、高尾神社の祭りが行われる10月第3土日までの日数を数ヶ月前から指折り数えていたものです。

 

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昭和50年代の焼山/高尾神社の祭りの様子(右の少年が私)

 

大人になってからも「やぶ熱」が続いていた私は、今から5年前、趣味の一環でFacebookページ「焼山のやぶ」を作りました。

昔の写真や最近撮った写真を投稿することで、「やぶ熱」を発散するという自己満足的な楽しみに過ぎませんでしたが、結果的に「焼山のやぶ」が広く世間に知られる機会にもなり、以前にも増して祭りの日が楽しみになりました。

但し、当時の私の関心は、子どもの頃と同様、あくまで地元、「焼山のやぶ」だけでした。

呉市内の他の神社の祭りには、目が向いていなかったのです。

 

そんな私に転機が訪れたのが今から3年前です。

同じく「やぶ好き」だった弟の薦めもあって、私は色々な神社のやぶの写真を眺めるようになりました。

そんな中、焼山以外の人と何気なく祭りの話をすると、誰もが自分の地元のやぶが一番かっこいいと熱っぽく語ることに気づいたのです。

例えば、三条育ちの人は「鯛乃宮(神社)のやぶは呉一じゃ」と断言し、鍋地区の人は「警固屋(宇佐神社)のやぶはえかろう~」と自信満々に言います。

これは実に面白いと思いました。

呉では9月の秋分の日から11月の文化の日までの間、やぶが登場する秋祭りが各地の神社で行われています。

そのどの地域でも「うちのやぶが一番かっこいい」と思われているのだとしたら、言わば地元の数だけ「呉で一番のやぶ」が存在していることになります。

 

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やぶが登場する祭り(2012年当時、個人的に調べて作成したもの)*1

 

もちろん、実際は一番だとか二番だとか順位など付けられようもなく、ここで語れている「一番」というのはあくまで"思い入れ"の部分に過ぎません。

ただ、そうした特別な思い入れを多くの人が各々の地元のやぶに対して抱いているのは事実で、その点が何とも興味深いと思ったのです。

そこで考えました。

  • それほどまでの魅力があるのだとしたら、地元の数だけ存在する「呉で一番のやぶ」を一つ一つ取り上げて、その魅力がより多くの人に伝わるように表現できないだろうか?
  • また、各神社のやぶを個々ばらばらのものに留めておくのではなく、それらを一つに束ねて呉に固有の文化として市外や県外、海外の人にも紹介できないだろうか?

そのような思いのもと立ち上げたのがFacebookページ「呉のやぶ」でした。

そこで必要になったのが、自分で撮ったオリジナルの写真です。

初年度の2012年には9箇所、2013年は15箇所、2014年は18箇所の祭りに足を運び、膨大な数の写真を撮りました。

焼山以外の祭りをじっくり観るのは正味、初めてでした。

あいにく写真に関しては全くの素人で、技量は覚束ないのですが、志(だけ)は高く、「ほら見てみー、やっぱりうちのやぶが一番じゃろーがー」(呉弁)と各々の地元の方、関係者の方に言ってもらえるような写真を撮ることを目標にシャッターを切り続けました。

そして、この3年間でかれこれ300枚余りの(選び抜いた)写真を投稿するに至っています。

昨年はその一部をもとに大型ハードカバーのフォトブック(写真集)を作成し、呉市立図書館広島県立図書館に郷土資料として寄贈したりもしました*2

 

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「呉のやぶ」のフォトブック(写真集)

 

そうこうしている間に、私の「やぶ熱」は、文字取り「呉のやぶ」全体に広がり、今では祭りシーズンになるとアドレナリンが噴き出し、カメラを持って嬉々として呉中を駆けずり回っています。

「呉のやぶ」の撮影は私にとってすっかりライフワークになっていると言っても過言ではありません。 

 

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やぶの写真を撮る私(の後ろ姿)(提供:Matsui Naohiroさん)

 

そうした甲斐あってか、嬉しいことにFacebookページ「呉のやぶ」の読者は年を追うごとに増え*3、立ち上げ当初の目的にそって着実に育っているという手応えを感じています。

但し、Facebookページは写真の投稿には向いているのですが、長めの文章を発信するのには適していません。

例えば、今ここで書いていること(文字数にして約2,000字)をそのままFacebookページに掲載しても、読みにくいことこの上ないでしょう。

今後は写真の投稿だけでなく、「呉のやぶ」の撮影後記のようなものも書いてみたいと思っています。

そのため、そういったものを綴るのに適した場を漠然と探していました。

また、過去に投稿した写真や小ネタは、時間の経過とともにFacebookページのタイムラインの底にもぐってしまっています。

それらをより見やすいように整理をしたいとも考えています。

そこで、試みに立ち上げてみたのがこのブログです。

Facebookページをメインにしつつ、それを補完する場としてここでどれほどのものを発信できるか分かりませんが、元々趣味の延長で始めた活動です。

あまり難しく考えず、興味の赴くまま推し進めてみようと思います。

Facebookページ「呉のやぶ」と同様、どうぞご愛顧ください。

 

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*1:その後の調査で一部誤りや漏れがあることが判明しました。

*2:各図書館のHP上にある蔵書検索で「kure yabu」と入力すると、該当書籍が表示されます。但し、閲覧のみで貸出不可となっています。

*3:2015年7月現在、1,492人の方から「いいね!」をいただいています。